【概要】特定技能(自動車運送業分野)に関する手続きの流れ
- ビザ・在留資格申請サポート行政書士井上慎一郎事務所

- 2月18日
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近年、自動車運送業分野においては、ドライバー不足が深刻化しており、その対応策の一つとして「特定技能(自動車運送業)」の在留資格が設けられました。
特定技能(自動車運送業)とは、一定の専門的知識・技能および日本語能力を有する外国人が、トラック運送、タクシー、バスといった運送業務に従事することを認める在留資格です。原則として在留期間は通算で最長5年(更新可)とされており、現場の担い手としての活躍が期待されています。
1. 特定技能(自動車運送業)の概要
特定技能制度は、深刻な人手不足に直面する分野において、一定の専門性を持つ外国人材を受け入れる制度です。自動車運送業分野では、以下の3つの業務区分が対象となります。
トラック運送(貨物自動車運送事業)
タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)
バス(一般乗合旅客自動車運送事業・一般貸切旅客自動車運送事業)
最大の特徴は、実際にハンドルを握るために「日本の運転免許」の取得が必須である点です。また、安全運行のために高いコミュニケーション能力が求められます。
2. 業種別:求められる要件の比較
「トラック」と、旅客を運ぶ「バス・タクシー」では、日本語能力や滞在期間のルールが異なります。受入れを検討される際は、以下の違いにご注意ください。
項目 | トラック運送 | バス・タクシー |
日本語能力 | N4以上(またはJFT-Basic) | N3以上(接客を伴うため) |
必要な免許 | 第一種運転免許 | 第二種運転免許 |
特定活動の期間 | 6ヶ月(更新不可) | 1年(更新不可) |
追加要件 | 特になし | 新任運転者研修の受講 |
3. 手続きの流れ:入国から就労開始まで
自動車運送業分野では、入国後すぐに「特定技能」として働けるわけではありません。まずは免許取得のための期間(特定活動)を経てから、特定技能へ切り替えるというステップが必要です。
① 雇用契約の締結・試験合格
分野別技能評価試験および日本語試験に合格した人材と雇用契約を結びます。
② 在留資格「特定活動」による入国
日本の運転免許を未取得の場合、まずは免許取得を目的とした**「特定活動」**の資格で入国します。
※この期間は「教習」を目的とするため、運送業務(運転)に従事することはできません。
③ 日本の運転免許の取得
教習所への通学等を経て、免許を取得します。
トラック: 第1種免許
バス・タクシー: 第2種免許 + 新任運転者研修
④ 「特定技能」への在留資格変更申請
免許取得後、速やかに出入国在留管理局へ「特定技能」への変更許可申請を行います。
⑤ 就労開始・定期的な届出
許可が下り次第、正式にドライバーとして就労可能です。
受入機関は、その後も定期的な支援状況の報告や協議会への参加が義務付けられています。
4. 受入機関(企業)に求められる主な基準
外国人材を受け入れる事業者には、以下の基準を満たす体制が求められます。
適正な報酬: 日本人が従事する場合と同等以上の報酬額であること。
安全管理: 運行管理体制が適切に整備されていること。
支援体制: 外国人が理解できる言語での生活支援等を行うこと(登録支援機関への委託も可能)。
協議会への加入: 国土交通省が設置する「特定技能協議会」への入会。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000038.html
※受入機関だけでなく、委託先の登録支援機関も加入が必須です。
5. 実務上の注意点
特定技能(自動車運送業)は、免許取得という高いハードルがある一方、即戦力としての活躍が期待できる制度です。
特に注意すべきは、「特定活動」の期間制限です。トラックは6ヶ月、バス・タクシーは1年という限られた期間内に免許を取得しなければならず、万が一取得できなかった場合は、特定技能への移行ができず帰国を余儀なくされます。計画的な教習スケジュールの管理が不可欠です。
特定技能(自動車運送業)は、人手不足の解消に資する有効な制度である一方、受入れにあたっては各種基準や手続きを適切に理解し、確実に対応することが求められます。特に、運転免許の取得や在留資格「特別活動」を経るケースがあるなど、他分野とは異なる特有の流れがあるため、事前の準備が重要となります。
さらに、特定技能の在留資格申請にあたっては、提出書類も多く、手続きが煩雑になりがちです。弊所では、特定技能に関する各種申請手続きのサポートから受入れ体制の整備に関するご相談まで幅広く対応しております。
ご不明点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
熊本ビザ申請サポートオフィス
Visa Support Office Kumamoto
熊本県行政書士会会員
行政書士井上慎一郎事務所



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