登録支援機関によるオンライン申請と行政書士法-令和8年改正を踏まえた実務整理
- ビザ・在留資格申請サポート行政書士井上慎一郎事務所

- 7 日前
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1.はじめに
熊本・九州エリアでも特定技能外国人の受入れが拡大するなか、在留申請オンラインシステムを活用する登録支援機関が増えています。
一方、令和8年1月1日に施行された改正行政書士法により、登録支援機関が担える業務の範囲と、行政書士との役割分担について、あらためて整理が必要な状況になっています。
本記事では、出入国在留管理庁(以下「入管庁」)の公表内容と改正行政書士法の内容を踏まえ、実務上の注意点を整理します。
2.令和8年行政書士法改正で何が変わったのか
令和8年施行の改正行政書士法は、行政書士業務の専門性維持と非行政書士との業際を明確化することを主眼としており、デジタル社会への対応努力義務も新たに職責として規定されました。
改正の核心は第19条(業務制限)への「いかなる名目によるかを問わず」という文言の追加と、両罰規定の整備です。
これにより、従来からグレーゾーンとされてきた以下のような行為が、行政書士法違反(非行政書士行為)として、より厳格に取り締まられる可能性が高まっています。
「入力代行」「手数料」「支援委託費」等の名目による実質的な申請代行
登録支援機関等による在留資格申請書類の作成・申請請負
パッケージ・一式型の申請代行サービス
特に注意すべきは、名目を問わず対価を受領していれば違反とみなされる点と、違反があった場合は行為者個人だけでなく所属法人にも100万円以下の罰金が科される点です。
今回の改正はあくまで「従来から違法であった行為の条文上の明確化」ですが、総務省から各府省・地方公共団体に対して無資格者関与の防止を求める通知も発出されており、実務上の取締強度は確実に高まっています。
3. 入管庁は登録支援機関によるオンライン申請の利用を認めている
入管庁のホームページでは、一定の要件を満たした登録支援機関の職員について、在留申請オンラインシステムの利用が認められています。
具体的な要件は以下のとおりです。
地方出入国在留管理官署において申請等取次者として承認されていること
所属機関からオンライン申請代行の依頼を受けていること
特定技能所属機関から1号特定技能外国人支援計画の全部実施委託を受けていること
つまり、登録支援機関が特定技能のオンライン申請に関与すること自体は、現行制度上、一定の範囲で予定されています。
4. ただし「システム利用の許可」と「行政書士法上の適法性」は別の問題
入管庁がオンラインシステムの利用を認めているからといって、行政書士法上の適法性まで包括的に保証しているわけではありません。入管庁HPには、次のような注意書きが明記されています。
(注)弁護士及び行政書士以外の方が、業として、申請人又はその法定代理人などから手数料を得るなどして自ら在留申請オンラインシステムに申請情報を入力した場合、弁護士法違反又は行政書士法違反となることがありますのでご留意願います。
システムにアクセスできること=何でもできるという解釈は、法的に成立しません。
5. 「入力補助」と「申請代理」は同じではない
実務上、登録支援機関に認められているのは、主として以下の位置づけで理解されています。
所属機関側の支援
申請入力の補助
支援計画履行の一環としての対応
一方、次のような行為は行政書士業務との関係で、慎重な判断が必要です。
在留資格該当性の判断
必要書類の法的選定
理由書の作成
申請内容の法的構成
外国人本人から直接報酬を受けての申請代行
オンライン申請では「入力行為」そのものが申請書類作成に近い性質を持ちます。
改正行政書士法施行後は、この点の業際がより厳しく意識される場面が増えると考えられます。
6.登録支援機関と行政書士の連携が適正運用の鍵
特定技能制度の適正運用には、支援実務を担う登録支援機関と、法的判断・申請実務を担う行政書士が、明確に役割分担した上で連携することが重要です。
特に専門的判断が求められる場面として、以下が挙げられます。
在留資格該当性の判断
更新・変更時のリスク分析
不許可リスクへの対応
理由書の作成
監査・法令対応
当事務所では、熊本・九州エリアの登録支援機関様・受入企業様と連携しながら、適法かつ円滑な特定技能運用をサポートいたします。
制度改正やオンライン申請の運用についてご不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。
熊本ビザ申請サポートオフィス
Visa Support Office Kumamoto
熊本県行政書士会会員
行政書士井上慎一郎事務所



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